私が1号店の物件を交渉中の出来事だった。
夜の7時頃、地元の有力者である資産家のH氏から私にすぐ来いと
電話がかかって来た。
近所なのですぐ行くと、H氏と親父がいた。
何の話かと聞いてみると、マンションを建てるのでそこでスーパーを
しろということだった。
でも場所的にみてもおそらく売上予想は50万円ほどだと思った。
家賃も安くできるからそこで商売をしろとH氏は命令口調だった。
親父もニコニコしてその話を聞いていた。
でも私は親父のおかげで商売ができると思われたり、言われたりする
のは嫌だし、親父と一緒にやっていくというスタンスはいやだった。
私は「おそらくあの場所だったら1日の売上予想は50万円で今交渉中
の物件は80万円だから、どうせやるなら売上が30万円違えば商品の
回転率やロス率もちがう。
家賃がタダでも30万円違えば月売上が1000近く違うので予定の場所
でやる。」と言った。
するとH氏は「商売ってそんな簡単なものと違う。
テニスブームだからテニスコート作ってテニスクラブをやっても思うように
流行らないし、車がたくさん通る環状沿いに喫茶店作ってもあれだけ車が
走っているのに流行らない。
商売を簡単に考えすぎなんじゃ。」と言われた。
私は「売上予想で1000万円違えばそっちが家賃タダでも向こうのほうが
いい。
流行りだからといってテニスコート作っても入口が土建屋の資材置き場
みたいなところ通らないといけないのにだれがそこにテニスコートあるか
わかるのか?。」
「テニスはおしゃれなイメージなのに全然あってないし、喫茶店が車が
たくさん通るから流行る?
学生を相手にするのか、サラリーマン相手なのかどの顧客層にターゲッ
ト絞ってるのかわからないコンセプトもない喫茶店が流行るわけ無い。」
と言った。
H氏やその家族は怒りをあらわにし、さんざん私を罵った。
私もH氏の物件をやるやらないは私の自由なので「そんなこと言われる
筋合いじゃない。」と言った。
そしてそんなやりとりも4時間にわたった。
私はもう我慢が限界だったので「あんたら家族は金があるから失敗でき
るんじゃ、こっちは金がないから失敗できない、だから可能性の高い方
を選んで何が悪いんじゃ。」と言ってH氏の家をあとにしたのだった。
H氏の物件は私のいとこで私が最初に修行したスーパーがすることに
なった。
そのいとこの社長は自分ところがやれば1日200万円売り上げると
大口を叩いていたが、結局1日平均売上が100万円もいかず数年で
撤退するのだった。
この出来事が、後日大きな事件の引き金となるとはこの時は思っても
いなかった私だった。
H氏はこの会話を録音したテープをずっと持っていて、10数年間ずっと
機会を狙うこととなるのだった。
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