私が自宅で眠っている深夜の2時、突然電話が鳴った。
私のお嫁さんは一度寝ると決して起きないので当然電話
でも起きない。
それは、時々朝方に帰っても12時に帰ったと言えば納得
するお嫁さんなのでこっちには好都合なのだが、帰ってい
るのをわかってもらうためにも電話で起きてほしいと思う私
だった。
電話に出るとセコムからで会社の事務所で警報を感知した
という連絡だった。
その時には直営店で5店舗あったので、その度に電話がか
かってきてはたまらないので、店長、主任、私と、そう言う場
合の連絡は3番目にはいってくるはずだった。
セコムの話だと、K店長は「寝てるからいけない。」と言わ
れ、I社員は連絡しても出ないと言うことだった。
「多分I社員は女と何処かにしけこんでるだろうから仕方は
ないが、寝てるからいけないと言ったK店長がその日始末書
の記録更新をしたのは言うまでもなかった。
私は「わかりました。すぐに行きます。」と答え、家からは25
キロあったM店にアイルトン セナが乗り移った私は車で飛ば
した。
会社に着くとセコムが表で待っていた。
私はセコムと一緒に店舗にはいって事務所を調べてみた。
しかし何の形跡もなかった。
確かに、店内の冷蔵ケースには温度センサーがついていて、
温度以上があったりして発報する事はよくあった。
でも事務所に至っては、いままで誤報はなかったのだった。
セコムの警備員は事務所だけが発報したという。
でも事務所にはいるにはどこかの入り口から進入しなくては
いけない。
でも何処も発報してはいなかったのだった。
私は、コナンか金田一が必要だとは思った。
その場所には金庫があり通常でも300万円以上、日曜の夜
だったら1000万円以上はある。
セコムは1000万円までの金額の保険に入っているので私
はそんなにあせってはいなかったが、警備員は必死に調べて
いた。
警備員は窓や事務所に通じている青果の作業場などを調べて
いたが誰も発見できなかった。
�事務所までは2カ所のセンサーをクリアしなければいけない。
�入り口、事務所とも鍵がかかっている。
�窓から出た様子もない。
�事務所は設計上しのびこむすきまもない。
�ネズミなどは事務所にいないし、ねずみぐらいでは感知しない。
まさに謎だった。
一応事務所の誤作動だったと言うことで帰ることにした。
当日、朝再びM店についた私は、K店長にこっそり始末書を書
くことを告げた。
K店長は何度か始末書を書いているが、他の社員は書いた記
憶がない。
K店長は、おもいっきり私と言い合いをして、1時間もたってい
ないのにそんなことを忘れて普通どおりに接すると言うような
社員で、まだ怒っている自分がばからしくなる。
そんなあっさりした店長だった。
始末書は恒例のようなもので、それによる処分はいっさいない。
いわば私とK店長の一種のコミニケーションのようなものだった。
みんなに朝の出来事を話したが、みんなは結局「セコムの誤作
動じゃないですか。」と言う返事だった。
これだけ人通りのはげしい事務所だからみんなの意見は当然
だった。
その日の夜11時半、K店長からセコムから連絡があったと電話
を入れてきた。
私はK店長に自分が行くから来なくていいと告げ、M店に向かった。
M店には、朝と同様にセコムが表で待っていた。
セコムは「警察に連絡しようと思ったんですが、どうも発報する順番
がおかしいので、とりあえず待っていました。」と言うことだった。
私は発報(警備システムがセンサーで感知し、知らせる)の順番を
聞いた。
事務所⇒台所⇒青果作業場⇒シャッター入り口 という順番だった。
セコムセンサー
| 窓 |
窓 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 窓 | リフト 階段 青果作業場 |
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 窓 | 2階部分 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
犯人は事務所にいて台所に行き、青果の作業場からリフトの隙間を
通って一階のシャッターの前に行ったことになる。
進入経路が反対だった。
以前心中をはかって死んでしまった〇島さん(パート)の幽霊か・・・。
でも、セコムの警備員といくら捜索しても誰もいない。
その日も空振りに終わりました。
「イタチとかだと神経質だから、あれだけ人通りの多い事務所なんか
にはいないと思うんですが・・・。」と警備員はいい、私は「あまりに誤
作動が多いといちど調べてもらわないといけませんね。」と言ってそ
の日も別れました。
次の日、M店みんなと昨日のことなどを台所で話しました。
みんなは「誤作動で何回も呼び出されたんじゃかないませんね。」と
いい、店では完全に誤作動扱いになっていました。
夜10時、店も閉店しアルバイトもまじえ、みんなで食堂で飲み食い
していました。M店の台所はいつも食料の山で、いつもみんなで30
分はビールやジュースを飲み、お菓子や冷蔵庫の食料を食べて話
をし、朝になるとパートが後かたづけをしてくれるのでそのまま帰る
のでした。
その後、私は閉店後も事務作業で遅くなりました。
どう考えても事務所からあらわれる侵入者など考えられないので、
私は少し気にはなりながらも作業を進めていました。
そして事務作業も終わり、会社のPCをインターネットにつないで
ネットサーフィンしているとするどい視線のようなものを感じました。
事務所の入り口付近をみても誰もいません。
周りをみても当然いません。
「気のせいか・・。」とおもい、また続きをはじめました。
すると今度は「に~」とかすかに何とも言えない奇妙な声が聞こえ
ました。
また周りを見てみるんですが誰もいません。
目線をふと下げるとなんと信じられないくらい大きな猫がこっちを見
ていました。
私と猫は10秒ぐらい、なんといもいえない間をもったあと、「ぎゃー
ー。」
私は声を上げると猫も事務所の隅の方に行きました。
わたしはそのすきに事務所から降り、セコムもセットするのも忘れ店
を出ました。
セコムにはセットするのを忘れたと言って、セットするように指示して
帰りました。
とてもあの猫がいる事務所に帰ってセットする事は怖くてできません
でした。
私は猫が怖かったんです。
幼いときに近所の友達が子猫を投げていました。
私はやめるようにいったんですが、友達は「猫はどんなに投げてもち
ゃんと立つんや。」と言いやめません。
なおかつ友達が縦回転させて子猫を投げたら子猫は頭を打ってしま
いました。
その瞬間、子猫は友達ではなく私に飛びかかってきました。
そして私の胸に両手の爪をひっかけ、私をにらみました。
しかしその後、そのまんまずるずるっと服にひっかかった爪が服をひ
っかきながら落ちていき、そのまんま死んでしまいました。
子猫が最後に見たのは私の目だったんです。
わたしはそれから猫が怖くなってしまったんです。
次の日、M店に行き、事務所であったことをみんなに言いました。
みんなは怖かったでしょうねといいながら目は笑っていました。
私は「こんな事務所でどこにかくれるんや。」といいながら、いつも
みんなが寝ているソファーのしたをのぞくとあの大猫が丸くなって
じっとしていました。
「ぎゃー。」わたしはまたおののきました。
みんなは猫を追いかけましたが、どうみても怖くて近づけないという
雰囲気でした。
猫はそのすきに事務所の窓から飛び降りました。
「逃げられたか。」みんなはあわてて下を見ると「どーーーーん。」
大きな音が聞こえました。
太りすぎた猫が地面に激突する音でした。
信じられない大きさの猫だったのでそれもありかなと思いはしまし
たが、あれだけ太っていたら受け身も糞もないなと思いました。
しばらく猫は動きませんでしたが、ささっと走る猫の姿とはかけ離れた
ゆっくりとふらふらした足取りで歩いていきました。
私は、台所でおいしいものを食べまくって口が肥えた猫の、これから
の暮らしを考えると気の毒で「がんばれ。」とエールを送るのでした。
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