1号店で60坪のスーパー出店し、出店反対運動をした
200坪以上の公設市場を半年あまりでつぶし、忙しさで
以前市場があったことなど忘れていた5ヶ月後のことだっ
た。
市場がつぶれるときに、そこの社長が市場の中の人とも
めて包丁で足を刺したという事件も聞いていたので復活は
ないと思っていたのだが、にわかに活性化(スーパー形式)
しスーパーSとなって再開店するという話がはいってきた。
その時には社員も自信にあふれ、不安感もなかったのだっ
たが・・・・
噂を聞いてまもなく、納品業者でSに納品したいというM販
売店が話をしにやってきた。
Sに納品させてくれと言うことだった。
私は「他の店に入れたいと言うことだったらたとえ競合して
もかまわないと言うかも知れない。
でもSは私どもの店の出店の時にあれだけ反対された。
だからどうしても入れてほしくない。」と私は言った。
だがM販売店は「今はそう言う時代じゃない。
私のところはこの地域をかなり抑えていてたまたま近くに
店ができただけで、私のところが入れなくてもどこかが入
れる。
どこかがはいることは間違いないんだから別に私のところ
が入れても問題はないと思う。」と言うことだった。
私は「それでは聞きますが、あなたはきれいなことを言って
くれていますが、私のところが今は1店しかないが、もし何
店舗ももっている近隣のおたくが入れているスーパーYなら、
入れるなと言われても入れるんですか?。」ときいた。
M販売店は「入れません。」と答えた。
「それでは言ってることが違うんじゃないですか。
あなたの言ってることは今はそんな時代じゃないから入れる
と言ってるんじゃなくて、私のところの力がないと判断して
Sに入れると言ってるんですよ。」と私が言うと
M販売店は「そう取られても仕方がありません。」と言った。
私は「話はわかりました。今はあなたのところはやめませんが
私のところがまた出店するようになったときにはおたくはやめ
させていただきます。」といって話は終わった。
あとから聞いた話だと、私どもにはいっているほとんどの納品
業者が声を掛けられていたと言う話だった。
私が「入れないでくれ。」と言ってSに納品するのをやめた業
者も何社かあった。
私にかなりの不安がよぎった。
納品業者が入れたいと言うほど、この戦いはこちらが不利だ
という見方をしている業者がたくさんいるということがわかった
からだった。
「何処がきても負けない。」と社員が思っているほどの自信は
私にはなかった。
おなじスーパー形式、大きさは4倍、自店の弱いところも知っ
ている私には納品業者には負けるはずはないと言ったが今
回も勝てるという気持ちにはならなかった。
私のそんな不安を抱いたまま、S店はオープンした。
S店オープン初日は「どんな店でもオープンにはお客さんは持
って行かれるとは思った。
社員も「まぁ。S店オープンの最初のうちはしかたない。」と言
っていた。
230~240万円あった店の売り上げも100万円を切っていた。
2日目、3日目とすぎたが3日目も自店の売り上げは100万
ほどだった。
その時点でも社員は「そのうちにお客さんも帰ってくるよ。」と言
っていたがとてもそんな楽観的な見方はできなかった。
S店オープンも、3日すればそこそこのお客さんがもどってくると
思っていたが実際は売り上げはおちたままだったからだった。
私は反対運動をした人たちに会うのがいやだったため、S店を
見には行かなかったが社員は視察にいった。
部長の話では、店に入ったらS店の社長が後ろにくっついてず
っと歩かれ、いやな思いをしたと言うことだった。
商品を仕入れてる社員も、納品業者にS店に押されていると思
われたくないため、商品の仕入れを抑えることが極端にはでき
なかった。
たった3日で目を覆うほどのかなりのロスがでたことは言うまで
もない。
当初、「S店がオープンしても負けない。」と自信たっぷりだった
社員に、最初の自信はかけらもみられなかった。
そんな顔色でも社員は私に「いまだけだって、そのうちにまた売
り上げも上がってくるよ。」とわたしに言ってきたが私はただの慰
めにしか聞こえなかった。
自社はその時点ではまだ創業して一年ちょっとのため、借金も
かなり残って
いた。売り上げが上がっていたため商品回転率で資金が1500
万円ほどあった。
しかし、240万円の売り上げが100万になればそれだけで4000
万円以上の負担がかかり差額の2500万円は当然の事ながらな
かった。
一月でつぶれる可能性も十分だった。まして赤字がかなり出るこ
とからいくらうまく、その中で納品業者に支払いの延期を協力を
してもらっても時間の問題だといえた。
事実、一月後の月間利益はなんと500万円の赤字であった。
契約している会計事務所に昔からの同級生のN担当者(後の社
員)がいて相談をした。
「店舗を改装したい。」私が言ったことをN担当者は事務所の所長
に言った。
所長が「そんな金が何処にあるんだ。」とNに聞いた。
Nは「ありません。」と答えたのであった。
そんなどうしようもない中、私はある決断をした。
どうせこのままでも時間の問題だ。それもよくもって3ヶ月。
つぶれるのならやるだけやって前向きにつぶれよう。
いちかばちかの賭けだった。
- ABOUT
- プロフィール
- 最新記事
- P R
- フリーエリア
