これは最初の店舗を作る2週間前ぐらいの出来事です。
これからスーパーをする私のために冷凍機の設備会社
の社長が勉強のためにある人に合わせてくれました。
当時、スーパーSを営業しているS社長でした。
まぁ私が失敗をしないように親切心で合わせてくれたの
ですが、その社長のはなしはこうでした。
大手のそばに小判鮫のように店舗を構えて店をつくる
小判鮫商法と当時は言われていました。
大手はセルフ主体の販売方法でお客様に自由に商品
を見て買ってもらう今では当たり前なのですが、それに
よって、いちいち商品のことを説明する人をはぶき、人件
費を抑えることができました。
S社長は「大手がセルフならこちらは差別化を図り、対面
販売で商品を売っていく、大手との差別化が必要だ。」と
力説しました。
私は「時代はセルフに移行しているのに今更、さか戻って
どうするんですか、大手がセルフだから対面といって人件
費がかかるやり方が正しいとは思えません。
対面だから冷蔵設備もあまりしなくていい、新鮮な商品を
早く売ってしまうと言っていますが、今はパートにいく主婦
も多いので朝から買い物に行ける人も減っている。
ましてや、戸板の上に野菜などを並べて売っていたら暑い
日などは商品が持たないですよね。
だから大手は冷蔵ケースで商品の品質を保つようにし
セルフ方式を取り入れだしたんですよね。
小判鮫商法はある意味いい戦力ですが、それと差別化とは
意味が違うんじゃないですか。
私は、同じセルフで勝負する中で、その中での差別化を
はかって戦うべきだと思いますよ。
現在の主流はセルフですから、その中でより良い品質で
差別化を図るとか、同じ土俵の中で戦うべきじゃないんで
すか?
大手のおこぼれで生きていくよりも、大手を上回る商品で
勝てばいいんじゃないですか。」と言った。
S社長はその言葉を聞いてかなりご立腹のようだったが
最後に「会社をやっていく上で大事なことが目標と目的を
しっかり持つことだ。」と言った。
いいことを聞いたと思った。
私は目標を年商50億円に定め、目的は社員が生涯生活
していくことができる会社にすることとした。
それから6~7年たってS社長から自分の店舗を買ってくれ
ないかと打診が来たが、そのときは我が社は5店舗ほど
ですぐには余裕がなかったし、私たちのやっている地域と
少し離れていたので乗る気にはなれなかった。
それからしばらくして、S社長が回転寿司の店舗をつくり
当たったということだった。
当時、道頓堀に「まぐろ亭」という名でかなり有名になった。
私も従業員と食べに行った。
たしか女性は1900円、男性は2900円だったとおもう。
食べ放題だった。
店内はうるさい音楽をかけて客同士が会話できないぐらいに
なっていた。
しかし、ネタはすごく大きくて生鮮をあつかっている私から
みたら不自然だった。
このネタで食べ放題だとどう見ても無理だと思った。
毎日満席で行列でかなり待たないとはいれない。
現金商売だからお金は回るけど、どう見ても無理がある
というのが私の感想だった。
私どもと取引のある納品業者がS社長のところに集金に
行ったら「ちょっとマンションを買ってお金がいったので待って
欲しい。」と言われたと愚痴を言っていた。
普通、業者の支払いを優先するだろう。みんなは「マグロ亭」
が好調なので心配はしていないようだけど、危ないなと
私は思った。
それからしばらくして「マグロ亭」が潰れたと聞いた。
まぁ当然スーパーも潰れたんですが、S社長は外国にかなり
お金を送金していたと聞いた。
北新地に「マグロ亭」を出店してまもなくの話だった。
ある程度はわかっていたんだろう。
金額をあげるとかなにか方法はなかったのかなぁとも思ったが
それなりの大金をもって雲隠れしたのは確かだった。
初めて会ったときはいい話をしてくれたのに、残念な終わり方
だなぁと思った。
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